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篠

Author:篠

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スナーク狩り / 宮部みゆき



◆スナーク狩り / 宮部みゆき◆

織口邦男が勤める釣具店に、関沼慶子は鉛版を買いに来た。不審に思った織口は、彼女が銃を持っていることを知り、ある計画を思い付く。そのためには今晩じゅうに銃を盗まなければならない。
が、その晩、彼女は元恋人・国分慎介の結婚式に散弾銃を持って現われた。新郎新婦が雛壇に戻る瞬間を狙って…。スナークとは何か…!?
人間の真実を抉る傑作サスペンス。

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宮部さんの作品の中では比較的古い作品のようですが、やはり面白かった。解説で池上冬樹さんが書いていますが、「映像的」要素が目立つ作品。
情景描写は数あれど、それを読者に想像させることが出来る人って結構少ないように思います。つまり、文章上では想像できても、実際に目に浮かんでくるかというとそうでもない文章が多い。
宮部さんの文章は、「目に浮かんでくる」文章のように思います。

物語の中で流れている時間は、僅か一晩程度。そのため、時間対内容の密度も高くなっています。

この作品で描かれいるのは、「誰がスナークなり、誰がスナークを狩る者になるのか」ということのように思いました。スナークとは犯罪者・負の感情などと捉えるといいのではないでしょうか。
そして、「スナークを狩る者」もまた、「スナーク」である。
なんだかややこしいですが、私刑に対するあり方・裁ききれない犯罪者たちへの問題提起と、復讐は復讐しかうまないという主張を感じました。

複数の場所で同時展開する物語を一つに収束させていく文章力は、流石と言うべき。
こちらとしても、場所の切り替えがあるために気が抜けません。一つの視点から描き続けると、どうしてもダレてくる面があります(密度を一定に保つのが難しい)が、複数視点から描かれると、ダレてこないので(密度がある水準程度に保たれる)。

緊張感のある作品です。
読後に「怪物(スナーク)」、人間の悪意・負の感情のようなものについて考えてしまいました。
解説では映像的描写についてばかり書かれていましたが、語るべきはもっと他の所にあると思います。文章力については勿論素晴らしいと思いますが、まずは主題を捉えるといいのではないでしょうか。
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地下街の雨 / 宮部みゆき | HOME | 好きな作家と緊張感

Comment

こんばんは。
トラックバックさせていただきました。
考えさせられる作品でしたね。
トラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
2009/06/21 23:57 | URL | 藍色 #- [ Edit ]
Re:
藍色さま、トラックバックありがとうございます。
送り返させていただきました。
2009/06/22 18:26 | URL | 篠(管理人) #- [ Edit ]

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織口邦男が勤める釣具店に、関沼慶子は鉛版を買いに来た。 その晩、彼女は元恋人・国分慎介の結婚式に散弾銃を持って現われた。 織口が今晩...
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